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美術作品

吉田ふじを Yoshida Fujio

吉田ふじを

明治20年<1887>-昭和62年<1987> 福岡県出身
画家。図画教師をしていた父・吉田嘉三郎と、のちに夫となる義兄・吉田博から美術の英才教育を受けて育ちます。小学生の頃に上京し、小山正太郎の画塾不同舎に入門。1903年、吉田博とともに渡米。各地で二人展を開催して回ると、日本的情緒の漂う水彩画で人気を集めました。西洋風の絵を描く若い日本人女性画家という物珍しさもあり、現地の新聞で取り上げられることも度々あったといいます。その後ヨーロッパ各地やエジプトなどを経て1907年に帰国し、吉田博と結婚。帰国後も文展や太平洋画会などに出品を重ね、第4回文展では褒状を受賞するなど、新進水彩画家として大きく注目されました。しかし1911年、長女の千里を亡くし、続いて長男遠志が病に。育児をおろそかにして絵ばかり描いていたせいではないかと自身を悔み、女性でありながら画家である自身の在り方を模索することになります。以後は官展への出品は途絶えますが、太平洋画会のほか女性画家団体朱葉会に参加。静物画、とりわけ花を描くことが多くなりました。第二次世界大戦が終わるとさらに画風は変化し、クローズアップされた花の抽象的な絵画を描き始めます。大胆なタッチで描かれた花たちはそれまでの抑制された写生的な描写とはかけ離れており、内側から湧き出るような自己表現の喜びへと最後にたどりついたと言えるでしょう。

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