光風会設立メンバーでもある洋画家・中澤弘光のお茶屋の舞妓の姿を描いた水彩画、明治期を代表する絵師・河鍋暁斎、小林清親の浮世絵、江戸・明治期関連の展覧会図録などが入荷しました。
江戸の文人交友録 亀田鵬斎とその仲間たち 渥美コレクションを中心に
2014 7月 : お知らせ & ブログ | 浮世絵・版画・美術書の専門店 山田書店美術部
2014/7/30
光風会設立メンバーでもある洋画家・中澤弘光のお茶屋の舞妓の姿を描いた水彩画、明治期を代表する絵師・河鍋暁斎、小林清親の浮世絵、江戸・明治期関連の展覧会図録などが入荷しました。
江戸の文人交友録 亀田鵬斎とその仲間たち 渥美コレクションを中心に
2014/7/26
日本を代表する銅版画家・浜口陽三、池田満寿夫、千住博、北野武(ビートたけし)の作品の他、中原淳一関連の書籍が入荷しました。
『アート オブ クリスマス Namiki 2006』 オリジナルイヤーズプレート / 千住博
『アート オブ クリスマス Namiki 2009』 オリジナルイヤーズプレート / 北野武(ビートたけし)
復刻版 ひまわり 昭和27年1・2・3・4・5・7月号 / 中原淳一
復刻版 ひまわり 昭和26年8・9・10・11月号 / 中原淳一
2014/7/22
当店の新収美術目録111号が発行されました。
Webサイトにもアップしてありますので、是非ご覧ください。
掲載品:459点
主な掲載作家:会津八一、畦地梅太郎、落田洋子、恩地孝四郎、川瀬巴水、川上澄生、エリザベス・キース、小泉癸巳男、小村雪岱、合田佐和子、斎藤清、ポール・ジャクレー、武井武雄、天明屋尚、東郷青児、奈良美智、林武、南桂子、棟方志功、室生犀星、横山大観、吉田博、萬鉄五郎、豊国三代、芳年、国芳、芳虎、広重初代、暁斎、清親
2014/7/19
当社所属の作家、弦屋光溪の最新作〈アルチンボルドに捧ぐ五題〉の第二作「犬」が完成致しました!
一作目の「猫」とは全く異なる色彩、刻線、摺りをご覧ください。
2014/7/17
師・歌川国芳の洒脱な画風とは異なる、幻想的かつ静謐な、翳のある世界観が魅力で、“最後の浮世絵師”とも呼ばれる絵師、月岡芳年の揃物が二作入荷しました。
月岡芳年「近世侠義傳」全36図
【近世侠義傳】
慶応元年-2年(1865-66)に制作された大判錦絵全36図の揃物で、版元は伊勢屋喜三郎。
講談で室井琴凌も「天保水滸伝」として読んだ、天保15年(1844)に大利根河原において繰り広げられた、飯岡助五郎、笹川繁蔵両陣営の博徒たちの決闘を実録的に描いたシリーズで、背景の略伝は、戯作者の山々亭有人(鏑木清方の父)が手がけています。
師・国芳の武者絵を参考にしたと思われる、構図や図柄が多く見られる。
【東錦浮世稿談】
講談を題材に、慶応3年-4年(1867-68)に制作された、大判錦絵全50図の揃物。
版元は錦盛堂、玉明堂、近江屋久助、増田屋銀次郎、山城屋甚兵衛の合梓。
講談をテーマにしているので、タイトルが書かれた枠も、講談で釈台を叩くのに使われる、張り扇の形をしています。
タイトル横にある開いた和本の中には、内容の簡単な説明が入れられていて、これは講談へ誘導するもので、今でいう「つづきはWebで」みたいな感じでしょうか。
その説明文は、明治期を代表する戯作者、仮名垣魯文が書いています。
2014/7/16
洋画家・村井正誠の銅版画に、豊原国周、揚州周延の浮世絵の他、清原啓子、野口哲哉、平野遼、白洲正子などの関連書籍が入荷しました。
2014/7/12
本日から三重県立美術館で始まった、「生誕140年-中澤弘光展―知られざる画家の軌跡」のオープニングに、今回の展覧会開催にも協力された、中澤弘光の孫で版画家の、弦屋光溪さんとオープニングに参加しました。
入り口で弦屋光溪さんをパチリ(*゚∀゚)
上の作品は文豪・川端康成が所蔵していたものらしいです。
油彩、水彩、素描だけでなく、自筆のはがきや装幀本など、その画業の全貌を堪能できる回顧展になっています。
是非足を運んでみてください!
尚、今回の展覧会は横浜のそごう美術館でも開催される予定ですので、そちらもよろしくお願いします。
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「生誕140年-中澤弘光展―知られざる画家の軌跡」(→公式サイト)
会期2014年7月12日(土)~9月7日(日)
毎週月曜日休館 開館時間9:30~17:00(入館は16:30まで)
三重県立美術館
〒514-0007 三重県津市大谷町11
2014/7/06
金沢21世紀美術館では、美術館を象徴すると言って過言でない作品「スイミング・プール」を手がけたアーティスト、レアンドロ・エルリッヒの国内初となる個展「レアンドロ・エルリッヒ ーありきたりの?」が8/31(日)まで開催されています。
私もこちらを目当てに金沢まで行ってきました!
レアンドロ・エルリッヒ(1973年生)はアルゼンチン出身の現代アーティスト。
視覚の錯覚を利用し、日常にありふれたものを非日常化させることで、そこにある私たちの問題意識を換起させる作品を数多く手がけています。
エルリッヒの作家性について、自身で語られているものに分かりやすいものがあったので、少し引用してご紹介します。
「うさぎスマッシュ」(フィルムアート社/2013年)より
私は平凡な世界や日常の生活空間を新しい体験の場に転換させる物語を紡ぐことに情熱を注いでいます。
<中略>
私は未来を与えられるものとして想像するのではなく、私たちが確実だと思い込んでいることがいかにもろいかということ、また、これからもまだ驚きに満ちた新たな窓があるということを再確認することによって、人々に希望をもたらしたいと思っています。
展示内容について語る前に、とても重要な事を言いたいと思います。
何と!こちらのエルリッヒ展に限っては作品の撮影が許可されているのです!!!
そこで、百聞は一見にしかず!ということで全作品を写真付きでご紹介します(*゚∀゚)ノ
まず企画展の手前で、いきなり出ました「スイミング・プール」(2004)!!
一見すると普通のプールに見えますが、実際は深さ10cm程のところでガラスがあり、地上と地下を隔てています。
縁に水流を発生させる装置があり、水面は常に波打った状態になっています。
地下にいる方々の像が揺らめいているのが分かるでしょうか。
実はプール地下の入り口は、エルリッヒ展とは逆のコレクション展の方に行かないといけなかったので、実際に見た順番は最後だったのですが、分かりにくいので続けていきます(*^ェ^)
地下道の突き当りがプールの地下。
プールの地下は狭いのですが、光が溢れていて感覚的にはずっと広く感じられました。
陽が射すと水の流れで屈折した光が本当にきれい(*゚∀゚)
地上にいても地下にいても、張られた水越しに人を見るのが楽しいので、地上と地下でお互いを写真で撮り合っているのが面白かったです。
普通なら見ず知らずの人を積極的に撮ったりしないのに、わずか10cmの水を挟むことでコミュニケーションを取り始めていると考えると何だか不思議ですね。
ここからが今回のエルリッヒ展の展示になります。
こちらは「見えない庭」(2014)。
格子に囲まれた庭の中は、鏡で4分割されています。
下の写真の右端と奥が鏡になっているのが分かるでしょうか。
沢山の人で囲うと空間の不思議さが際立ちますね。
パトリック・ブラン「緑の橋」をくぐって次の展示室へ。
「エレベーター・ピッチ」(2004)。
エレベーターの扉が開くと、様々な人たちのエレベーター内の映像が流れます。
カウントし忘れてしまったのですが、相当な数の映像が、単純にループしているのではなく、ある程度ランダムに流れているみたいでした。
エレベーターはパブリックな空間でありながら、閉じられるとプライベートな空間に変じる感覚があるかと思います。
なので、普通に扉が開いただけなのに、誰かのプライベートを覗いているような感覚がしてしまいます。
ちなみに私は上の写真の映像が気に入っています。女性たちの関係性に色々想像が膨らみました(^^)
イメージしやすいかと思いGIFアニメにしてみました。
今回の展示で最も大きいのが「階段」(2005)。
ここに至って初めて気がついたのですが、トップライトに自然光が取り入れられているので、とても柔らかな明るさです。
こちらはご覧のとおり、普段は見下ろす形になる螺旋階段を、水平に見るというもの。
ちなみに中央の黒い四角はビルの入口によくある足ふきマット(?)です。
奥から見るとこんな感じに。
見慣れているはずの手すりの造形が何とも不思議で、だまし絵の中にいるような感覚の揺らぎを感じました。
こちらは「エレベーターの迷路」(2011)。
手前と奥の列に3つずつ、合計6つのエレベーターが並んでいて、それぞれの列の端のエレベーターに鏡が張られていて、合わせ鏡の要領で無限にエレベーターが連なっているように見えます。
言葉で説明しにくいので上面図を作ってみました。
青の部分が鏡で、各エレベーターを仕切る壁の赤い部分は、腰ぐらいの高さです。
他に誰もいない時は真ん中のエレベーターに入ってみるのが良いと思います。
繋がっている隣の展示室にあるのは「雲」(2014)。
高透過ガラスにセラミックスインクで描いたものが幾重にも並べられていて、立体物のように見えます。
展示室には「蟹」、「水母」、「犬の頭」、「白熊」、「雌鳥」、「ライオン」のタイトルのプレートがありますが、特にこれがこのタイトルということは設定されておらず、自分でそう見えるものがそれということで良いそうです。
地面に置いてある建物と人を、斜めに倒した鏡に映したものを写真に撮ったもので、コラージュアートみたいですね♪
こちらは一度に見ることのできる人数が8人に限定されている「リハーサル」(2014)。
用意されている弓などを持ってポーズをとると、ガラスに映り込んで、その向こうのバイオリンやチェロを弾いているように見えるというもの。
ガラスで隔たれているものが、そのガラスに映り込んで一体化して見えるというのが面白いです。
こちらは「サイドウォーク」(2007)。
水たまりに映った、壁の向こうに流れている映像を見る作品で、個人的に一番好きです(´∀`)
雨上がりなのでしょうか、時々水たまりに雫が落ちて波紋が広がります。
映像はしっかり時間の流れがあって、朝→昼→夕→夜→朝というように、見ていると街の表情がくるくる変わっていきます。
ちなみにこの街はエルリッヒの故郷ブエノスアイレスなのだそうです。
最後は「ログ・キャビン」(2009)。
こちら側から見ると外の光景。
逆から見ると室内の映像が流れています。
窓の断面とでも言えばよいのでしょうか?
以上、全17作品、“発見や疑問の世界を想像できない”とも語っているエルリッヒの、再解釈された日常世界を見て、体験できる本当に素晴らしい展覧会でした(´∀`)
東京から6時間かけても来る価値のあるものでした。オススメです!
展示を観終わった後に美術館の方に教えていただいたのですが、エルリッヒは作品を残すということをあまりやってこなかったそうで、作品自体はもちろん写真などにも残っていないものが多数あるそうです。
そういう方なので、作品集など、まとまった資料があまりないとのこと。
が、何と!今回の展覧会がキッカケなのかは聞きそびれてしまいましたが、金沢21世紀美術館さんの方で7、8月中にエルリッヒの作品集を出されるというお話を伺いました!!!
一般流通もするそうなので、楽しみに待ちたいと思います(´∀`)
ちなみにはじめの方でご紹介した文の引用元の本は、こちらの「うさぎスマッシュ」(フィルムアート社/2013年)。
エルリッヒは数頁しか載っていませんが、現代のアート、デザインに関する示唆的な内容でなかなか興味深いです。
written by Teru
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「レアンドロ・エルリッヒ ーありきたりの?」(→公式サイト)
会期2014年5月3日(土)~8月31日(日)
毎週月曜日閉場 開館時間10:00~18:00(金・土は20:00まで)
金沢21世紀美術館
〒920-8509 石川県金沢市広坂1-2-1
2014/7/04
オットー・ディクス、アルバート・ピンカム・ライダー、ロバート・ロンゴら外国人作家の画集、展覧会図録などが入荷しました。
[英]オットー・ディクス 生涯と作品 / Fritz Loffler
[英]アルバート・ピンカム・ライダー / Elizabeth Broun
[英]ネヴィル・ブロディのグラフィック・タイポグラフ / JON WOZENCROFTテキスト
[英]写真集 ILLIMINE / ギャリー・ファビアン・ミラー
[独]ベレ・バッヘム(バッケム) カタログレゾネ 1935-1986 / Ulrike Camilla Gartner
[英]ブリュッケ グランヴィル& マルシア・スペックス コレクション ドイツ版画展 / Reinhold Heller
[英]近代の陶芸 / MARTHA DREXLER LYNN
フォンテーヌブロー派画集 ピナコテーカ・トレヴィル・シリーズ 4 / 岩井瑞江解説
2014/7/03
近代日本版画を代表する版画家・斎藤清、オノサトトシノブ、竹久夢二、川瀬忍の作品に、山口蓼州の木版画集が入荷しました。
2014/7/02
金沢21世紀美術館では、8/31(日)まで、企画展「中村好文 小屋においでよ!」が開催されています。
昨年TOTOギャラリーでも開催されていたもので、住宅と向き合い続けてきた建築家・中村好文氏が、その住宅の原型として注目し、魅せられてきた「小屋」を通じて、その意味を問いなおすという展覧会。
展示室では中村氏が影響を受けた鴨長明や高村光太郎、ル・コルビュジエなどの小屋の模型や写真の他、自身が手がけられた小屋の紹介(お風呂と書斎だけの小屋で過ごしたくなりました♪)、そして美術館の中庭(光庭)に建てられた小屋の建築風景の動画、設計図面などが展示されています。
中庭(光庭)にあるのが、先に展示室で設計図面などが公開されていた、一人暮らし用の小屋「Hanem Hut」。
電気や水を自前で賄い、自給自足が可能というコンセプトのとても面白い小屋です(*゚∀゚)
ウッドデッキのある大きな開口部。建物からはみ出す引き戸がユニークですね!
中村氏は細部までこだわって設計されるそうで、一つ一つの部材が素敵です(´∀`)
屋根の上には貯水槽、風力発電の風車、ソーラーパネルが設置されています。
毎週土日は小屋内部をスタッフの方の説明付きで見ることが出来ます(要申込)。
訪れたのがちょうど日曜日だったので、私もあわてて申し込んで参加しましたヽ(`Д´)ノ
開口部上には、鳴った後すぐに引っ込む鳩時計が設置されています。
窓の上の棚には中村氏の蔵書が。
長さや向きを変えることで読書灯にもなる電灯。
どこからか梯子を持ってきて上るらしいロフト。
薪ストーブ。
真鍮製の窓鍵はシンプルでとてもきれい(´∀`)
取り出し可能な七輪が設置されたキッチン。ちなみに小屋内の小物類は全て中村氏の私物だそうです。
微生物により分解されるというバイオトイレ。
洗面台。電灯のスイッチがかわいいです(^^)
パックを吊って使用するシャワー。片面が黒くなっているので、夏は太陽光で温めるそうです。
週末の一日をこんな小屋で住めたら素敵だな~(´∀`)と憧れてしまったこちらの小屋は、浅間山麓にある中村氏の別荘の敷地内に移築されるそうです。
written by Teru
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「中村好文 小屋においでよ!」(→公式サイト)
会期2014年4月26日(土)~8月31日(日)
毎週月曜日閉場 開館時間10:00~18:00(金・土は20:00まで)
金沢21世紀美術館
〒920-8509 石川県金沢市広坂1-2-1